日本語で言えなきゃ英語でも言えない!日本文化の説明のしかた
先日、外国の人と日本の話をする機会があったのですが「歌舞伎」や「相撲」などについて聞かれてもほとんど何も答えることができず、恥をかきました。
その外国の人は日本の伝統文化にとても興味があるらしく、他にも相撲、侍、寺などについていろいろ質問してきましたが、私はただ何度も「I’m sorry I don’t know」を繰り返すばかり。会話がちっとも弾まず、申し訳ないことをしてしまいました。

思えば、これまで25年間、ずっと日本で暮らしてきたけれど、伝統文化について知ろうとしたことは一度もなかった。
なんだかもったいない気がするし、次にまた外国の人に質問された時はきちんと答えられるようになっていたいので、少し調べてみることにしました。
①神社と寺の違い
神社と寺。どちらも季節の行事ごとにお参りをしたり、願掛けをしたりするための場所だという認識しかなかったのですが、神社は「神道(しんとう)」の神を祀る場所、寺は仏教の仏様を祀る場所という違いがあるそうです。
ちなみに「神道」というのは、神という字が使われているものの特定の教祖や経典が存在するわけではなく、人間、動物、植物、山や太陽などの自然なもののすべて、つまり万物に神が宿るという考え方から興った宗教ということ。
一方、仏教はインドの「お釈迦様」を開祖とし、中国を経由して日本に伝わった宗教なので、似ているようで、実はまったく違うものだったのですね。
ちなみに、仏教はインド、中国、タイ、ミャンマー、スリランカ、マレーシアなどのいろいろな国で信仰されていますが、神道は日本固有の伝統的宗教なので、日本国内でのみ信仰されるものだそうです。
神社と寺の説明に使える英単語
- 神社
shrine - 神道
Shinto - 寺
temple - 仏教
Buddhism - 祀られた
enshrined - 固有の
specific - 伝統的宗教
traditional religion - 特定の教義
Specific doctrine - 経典
Scripture - インドを起源として
Originating from India - 中国を経由して
via China - 仏様の教え
a religious teaching by the Buddha - お参りをする
visit
②盆踊り
子どもの頃、よく地域の夏祭りで踊った盆踊り。ちょっと気恥ずかしかったけれど、お母さんに浴衣を着せてもらい、友達と一緒に輪になって踊るのは楽しかったなぁ。
先日お話した外国の人は、日本の家庭でホームステイしている時にそこの家族に誘われ、盆踊りに参加したことがあるそうで、即興で踊って見せてくれました(笑)
盆踊りって単に踊りを楽しむためのものだと思っていたのですが、実は、お盆の時期(8月13日~16日)にあの世から帰ってくるご先祖様の霊をなだめるためのものだそうです。
確かに、自分が霊となってこの世に帰ってきて、楽しそうな音楽と踊りが見られたら、なんとなくウキウキとした気分になりそうですよね。
また、盆踊りは仏教の祭事であるということも初めて知りました。なんでも、平安時代に仏教を庶民に広めようと頑張っていた「空也上人」が、瓢箪を叩いて念仏を唱えながら踊ったのが始まりということですよ。
現代では祭事というよりもレクリエーションという意味合いが濃くなっていますが、本来は、亡くなったご先祖様に思いを馳せつつ、心を込めて踊るものなのですね。
盆踊りの説明に使える英単語
- 盆踊り
Bon Festival Dance - 伝統的な踊り
traditional folk dance - 仏教徒の
Buddhist - 祭事
Festival - お盆
Obon season - 霊
spirits - 先祖
ancestors - 大衆的な
Popular - レクリエーション
recreation
③歌舞伎
日本の伝統芸能と聞いて、真っ先に頭に思い浮かぶのが「歌舞伎」。一度観に行ったことがあるのですが、事前にしっかり勉強しておかなかったせいで意味がよく分からず、途中で寝てしまったという情けない思い出が……。
ロビーで演目に合わせて説明が聞ける機械を貸し出していたので、今度観に行く時は絶対にあれを借りようと思います。
外国では、歌舞伎独特の色鮮やかな衣装やメイクがとても人気だそうで、海外公演はいつも大盛況だし、日本へ観光に来た際も、歌舞伎座に立ち寄る人が多いのだとか。
「なぜ、男性だけが出演するの?」「どれぐらいの歴史があるの?」など、いろいろなことを質問されましたが、当然答えられず……ということで、調べてみました。
歌舞伎はもともと「出雲阿国(いずものおくに)」と呼ばれる女性が始めたものでしたが、人気スターにあやかって仕事を得ようと遊女たちが真似事を始めたため「風紀を乱してはならない」として禁止になったそうです。
その後、若い男の子たちが「若衆歌舞伎(わかしゅかぶき)」を始めたものの、これも男色につながるとして禁止に。そういうわけで、歌舞伎に出演できるのは成人男性と10歳ぐらいまでの子供だけということになったようですよ。
出雲阿国が歌舞伎を世に広めたのが17世紀頃なので、歴史はもう400年近く。「歌」「舞」「伎」という文字の通り、「歌って踊って演技の技を見せる」アートということになりますね。これからも日本の演劇界を引っ張っていってほしいと思います。
ちなみに、ちょっと敷居の高い感じがする歌舞伎ですが、もともとは庶民の娯楽として始まったものであり、大衆演劇のルーツとも呼ばれているそうですよ。
歌舞伎の説明に使える英単語
- 大衆演劇
popular drama - 男性俳優
male actors - 17世紀頃から始まった
started playing around the 17th century - ~年以上の歴史がある
have a history of over ~ years - 歌
sing - 舞
dance - 伎
skill
④相撲
日本の国技である相撲にも、外国の人は並々ならぬ関心を示していました。調べてみたところ、相撲はもともと神社における祭事の1つだったということで、奈良県桜井市の「穴師坐兵主(あなしにますひょうず)神社」が、相撲発祥の地と呼ばれているそうです。
紀元前から取り組みが行われていたとも言われており、日本で最も歴史の古いスポーツであることは間違いありません。
相撲をとる力士にはなぜか男性しかいませんし、女性は土俵に上がることすら禁じられているのが現状ですが、これには次のような説があるということです。
■土俵は神様をお迎えして五穀豊穣を祈る神聖な場所なので、女性を上げて穢れさせるわけにはいかない
■豊作を祝う際に祀られる神に女性神が多かったため、神に嫉妬心を起こさせないよう、男性のみ参加とした
女性に対する相撲の在り方はいま社会的にも議論をされてニュースにもなっているようですが、いずれにせよ、相撲は伝統的に人々の命をつなぐための作物と深く関わっていたということですね。
相撲は2ヶ月に1回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)のペースで行われ、1つのシーズンで試合は15日間続くそうです。
私はまだ1度も生で相撲を見たことがないのですが、機会があればぜひマス席でお弁当を食べながら力士を応援してみたいです。
相撲の説明に使える英単語
- 相撲
sumo wrestling - 神社での祭事
Festival at the shrine - 国技
national sport - 伝統文化
traditional culture - 紀元前
b.c.(before christ) - 続く
last
⑤俳句・短歌
松尾芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」で有名な俳句や、和歌の一種として親しまれている短歌も、日本が誇る伝統的文化です。
特に俳句は海外でも人気が高く、独自のセンスでユニークな作品を作って楽しむ人が増えているそう。ネットで少し検索してみましたが、思わずぷっと噴き出してしまうようなおもしろいものが多かったですよ(笑)
【俳句の特徴】
俳句は3行で、17音節(5・7・5)になるように詩を作ります。その際、必ず季語を入れるのがルールです。
【短歌の特徴】
短歌は5行で、31音節(5・7・5・7・7)になるように詩を作ります。季語は入れる必要はありません。
俳句と短歌の説明に使える英単語
- 詩
poetry - 音節
syllables - 季語
a word that expresses a season - 「古池や蛙飛びこむ水の音」の英訳
an ancient pond
a frog jumps in
the splash of water
⑥侍
侍も、外国の人にはとても興味深い日本の文化です。
ちょんまげを結い、着物を着て腰に刀を差して歩くというイメージがありますが、侍というのはもともと「仕える人」という意味の言葉で、平安時代には政府役人の「使用人」を差してこう呼んでいたようです。貴族が国を治めていた平安時代から、武士が力を持った鎌倉時代に変わっていった、というあたりは中学や高校でやった勉強のかすかな記憶としてのこっていますね。
「鎌倉時代になったのは大体12世紀末期のことです」などと外人さんに説明しちゃったらカンペキかもしれません(^^);;
私はよく時代劇を見ますが、侍が腰の長い刀をさっと抜き、勇敢に戦う姿は本当にかっこいいですよね。外国の人が「cool!」と夢中になるのも分かるような気がします。あの時代に生まれていたら、自分も侍になってみたかったです。
侍の説明に使える英単語
- 仕える人
people who serve - 使用人
servant - 政府役人
government officials - 平安時代
Heian period - 貴族の時代
The era of aristocracy - 鎌倉時代
Kamakura Period - 大体12世紀末
about at the end of the 12th century - 武士の時代
The era of the samurai - 武士
samurai (or bushi ) - 武術
martial arts - 長い刀
long sword - 日本刀
Japanese sword
結論:難しいことでも、簡単な日本語でしっかり整理しよう!
深堀りすると難しそうな“日本の伝統文化”も、大ざっぱな内容ならなんとか英語で伝えられそうな気がします。
今度いつ外国の人とこういう話ができるか分からないけれど、覚えた単語や知識をしっかり頭に入れておき、楽しく会話ができたらいいなぁと思います。
また、海外の歴史にも興味が湧いてきたので、こちらから逆に質問もしてみたいです。その国について深く知ることができれば、海外旅行ももっと楽しくなりそうですよね!
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